morimori review

主に映画や本のレビューを夫婦(もりおともりこ)でしています。

小説

居酒屋/ゾラ

大学1回生の時に目覚めたゾラ。 僕にフランス文学嗜好をつけてくれた、 ありがたいやら迷惑やらな本(笑)僕が持ってる版は分厚くて字が小さくて、 読みにくいことこの上なし。 だけど面白い。通学中は貪り読んでた記憶があります。モーパッサンは総じてメラン…

山椒魚/井伏鱒二

先日紹介した志賀直哉をコミカルと表現するのなら こちらは哀しいトーンですね。 あからさまに陰惨なシーンはないのですが、空気がとてもうら寂しい。山椒魚も、材料によってはいくらでもコミカルに 明るくなりそうなもんですが、井伏は徹底して哀しく書いて…

小僧の神様/志賀直哉

新潮文庫の短編集。 志賀直哉はもう少し読まれてもいい気がする作者。特に短編。国語の教科書では「城の崎にて」が有名でしょうか。 あれも面白いんですけど、学生で面白さがわかれば凄いと思います。 どちらかといえば小僧の神様を収録してほしいですな。 …

サキ短編集/サキ

人には勧めないですが、すごく好きな作家です。 残酷な結末とありますが、それはさほど感じませんでした。 確かにgoodendは少ないですが、どこかコミカルな雰囲気なんですよね。 まあこれをコミカルと取るか「うわ、残酷~」と取るか、 結構分かれると思いま…

ねじまき鳥クロニクル/村上春樹

もりおが村上春樹をやっていたので、私からも一冊。 選べというならば断然これでしょう。 二番手は1Q84。それ以外は特に。ノルウェイの森とか海辺のカフカなどのボーイミーツガール色が強い作品はちと無理なのですが、これは途中の井戸の表現がずば抜けて良…

風の歌を聴け/村上春樹

村上春樹は、これとノルウェイを読みました。 そのあと、多分、ねじまき鳥だったと思うんですけど、 それを読んでグロくて途中でやめました(笑) エログロ苦手なんですよ。デビュー作なわけですが、村上春樹ならこれが一番好きです。 まあ、比較対象が2つし…

雨・赤毛/モーム

雨は今のところ、一番良いなと思った短編です。 小説において、僕はそんなに「世界に入り込む」みたいな事は無いのですが、 この作品に限ってはがっつり入りました(笑)文章が上手いというか、シンプルなので、入りやすいんですね。 (ほかのモーム作品はそん…

李陵・山月記/中島敦

山月記は学生の時に読んだ人も多いと思います。面白いですよね。 教科書的ではあるんですけど、最後の寂しさというか、 行間を膨らませる余地がいっぱいある作品ですね。あとは名人伝。中島敦の中では一番好きですね。 これは誰が読んでも面白いんじゃないか…