morimori review

主に映画や本のレビューを夫婦(もりおともりこ)でしています。

天国と地獄

前半はよくある昔の映画。後半になるにつれ、
引き込まれるように見入りました。
黒澤映画はこれと羅生門しか観ていないのですが、面白いですね。

ぐだぐだの犯人が最後に自戒するシーンは圧巻です。
山崎努は、昔のドラマの世紀末の詩で見て好きだったんですけど、
若いころも素敵ですね。これがデビュー作。
それでも当時25歳ということですから、昔が遅いのか、今が早過ぎるのか。

しかし運転手は、貸してくださいくらい言ってほしかった。
それくらいの気概がほしかった(笑)。いくら手の届かない金額とはいえ。
奥さんの演技も立派です。差し押さえの時、自らは受け入れたものの、
旦那の気持ちを察して憔悴してしまう。
泣き崩れちゃ台無しだったんで、あそこはよかったです。

今の映画なら多分、権藤は家売りはしなくてすむかもしれません。
むしろ会社のほうも全て解決して大団円になるかもしれません。
それもそれで一つのシナリオですが、私はこの作品の筋のほうが好きです。

まあ、なんにせよ名作ですからね。一回観てほしい作品です。

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