morimori review

主に映画や本のレビューを夫婦(もりおともりこ)でしています。

ピッチ・パーフェクト

はい、数年前に米国でものっそティーンに受けたというこちらの映画をTSUTAYAで借りてきました。
GLEEの大ヒットにより空前のアカペラブームが巻き起こって、その波に乗る海外ドラマや映画が以来ちらほら出てきていますが、そんな作品群の一つです。

ただやはりどれもGLEEを意識したつくりではありそこから今一つ抜け出せない印象があり。
その中でこのピッチ・パーフェクトは、GLEEにもあった脱底辺オタクという要素を主人公ベッカの趣味DJとうまく絡めてGLEEよりイマドキな形でまとめているなあと感じました。
素人の集まりと化した大学のアカペラグループで、もともとアカペラをやりたくて入部したわけではないという事情を持つベッカ。
どのようにして彼女はアカペラにのめりこんでいくのかしらと思いながら見ていたのですが、歌にのめりこむというよりは、ベッカは自身の弱さと向き合い、彼女が所属するアカペラグループのメンバーと向き合うことで、最終的にアカペラの全米大会で賞を勝ち取ります。
ベッカが根底に歌への魅力を感じていた描写はちらほらあるのですが、アカペラグループに残った最も大きな理由は、人間関係をつないでいたかったからというように私には見えました。
そしてそこに、良い意味で今までの米国の青春映画にはない人の弱さを感じました。
そんな感情描写が米国ティーンの心を刺激したのかな、と思います。

とりたててここがいいという見どころのシーンがあるわけではなかったですが、全体を通してきれいにまとまっていたなと思います。
とりあえず、2も見ようかな。

しかしながら、なんで日本上陸がこんなに遅れたのかなというのは素朴な疑問です。
完全に日本では映画の売り時逃したよねー。

ピッチ・パーフェクト [DVD]

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生きる

黒澤先生の作品を久々にもりおと鑑賞。
久しぶりに見る黒澤先生はやはりしみます。

時折入る、主人公を俯瞰してモノ申すナレーションもぴりっと小味が効いていて、脇役も立っている。
主人公自身は非常に口下手なんですが、その分表情の演技が凄い。
主人公の状況をセリフで現わすよりよっぽど真に迫るものがあります。
また、ゴンドラの唄のシーンが有名だそうですが、先にyoutubeなどでその部分だけ見ることをあえてせず、映画で通しできちんと見て良かったなあ。

生きることの素晴らしさを詰め込んだ作品でした。

生きる[東宝DVD名作セレクション]

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キングスマン

コリンファース好きからしたら、観にいくしかないキングスマン
珍しいアクションもの。キックアスと同じ監督?らしいです。
キックアスの面白いところは、あのアクションシーンのBGMですね。
(いまだに、なんであれ最後のシーンはやらんかったんだろうかと思いますけど)
今作もそれは健在。

筋は結構ありきたりで、ソツがない。
ので、名作!とまではいかないんでしょうけど、普通に楽しめましたよ。
コリンファース好きからしたら面白いから★4にしました。
某レビューで、初めてのデートには向かないとありましたが
確かに向かんわこれ。

でも、最近の映画って、変にスタンダードから離れてるから
無難にデートで、無難に家族でって作品が少なくなりましたよね。
下調べが容易にできる分、下調べをする責任も増えたんでしょうかね。
まあ、何も考えずにフラッと入って、「失敗だったね」「意外とよかったね」
と感想を言い合うのも楽しいんですけどね。
しかしそれにしては高いんでね、なかなかリスクを取りづらい。
せめて1500円だよなあ。

と、何を書いてるのかわからなくなったので終わり。
コリンファースはかっこいい。以上。

魔女の宅急便

ジブリは全然見ない人間です。
別に嫌いなわけではなくて、ただ見る機会がなかっただけ。
いや、でも、みんなが良いと言われると、
なんとく見る気が損なわれるってのも大きいかも。

遅ればせながら、30代になって初めてマジョタク見ました。
そこそこよかったです。でも、アニメの限界なのか、
この題材ならもうちょっと空気感を出してほしかったりもしたり。
アニメ=デフォルトってのは、切っても切れない関係なのかしら。

こうやってジブリを見ると、アニメの存在について
一日くらいなら議論してもいいかもしれません。
でもすぐ忘れそうだけど(笑)

キキが凹むシーンはいらなかった気がしますが、
やっぱり「私、これ嫌いなのよね」は名シーンでした。
あれはよかった。

魔女の宅急便 [DVD]

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ル・アーヴルの靴みがき

アキ・カウリスマキ監督作品。この方の映画を一度見てみたいと思い、ようやく借りてきて見ました。
主人公のしがない靴磨きとその町の住人たちが、黒人の不法移民の男の子を警察につかまらないようかくまい、力を貸す話です。
ストーリーは単純明快。多彩な色使いに目を奪われつつも、一番良かったのは、必要なカット・必要なセリフのみに集約している構成でした。
削ってはならないものだけがそこにあるので、一カットがより印象的になるかんじ。
最近、この感覚を起こさせるものが名映画なのではないかと思い始めています。
また、ストーリーはまるでおとぎ話のようで、最後にちょっとした奇跡が起こります。
その奇跡さえも自然に受け入れて(心にとりこんで)見てしまえるのは、映画作品自体が優しさで満ちているからなのかもしれません。

20代前半で見たいと思って心の中にストックしていた監督作品でしたが、昔ではなく今見て良かったと思わせる作品でした。

ル・アーヴルの靴みがき 【DVD】

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七人の侍

久々の投稿になってしまいました。
で、この名作。2枚組で合計3.5時間くらい?
常々、映画は100分くらいが理想としている者として
最初は少し逡巡しました。でも観ました。
うん、サイコー。

長編というのを忘れさせてくれる映画です。
これなら何時間だって観てられます。
筋書きは割とベタです。当時はどうだったか知らないけど。
でも、引き込まれしまいます。なんででしょ。テンポ?人物?
何にせよ面白い。これ嫌いって人いないんじゃないですかね。

いやこれは名作です。
黒澤映画に外れ無し!
ちなみに私は久蔵が好きですが、みなさんは?

七人の侍 [Blu-ray]

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居酒屋/ゾラ

大学1回生の時に目覚めたゾラ。
僕にフランス文学嗜好をつけてくれた、
ありがたいやら迷惑やらな本(笑)

僕が持ってる版は分厚くて字が小さくて、
読みにくいことこの上なし。
だけど面白い。通学中は貪り読んでた記憶があります。

モーパッサンは総じてメランコリック。
自然主義とか言うけれど、ベースはどこかもの哀しい。
当時のフランスは、これが普通だったのか否か分かりませんがね。

僕は短編のほうが好きですが、短編は特にそれが濃縮されて危ないです(笑)
長編だと割と薄まるかな。
居酒屋は、長編で、結末も過程も割と悲惨ですが、
ポツリポツリとメジャーコードな場面というか雰囲気もあります。

でもメランコリックもハッピーエンドも楽しめればそれでいいんです。
所詮、本ですから。だからといってモーパッサンを人に勧めるかというと、
あまり積極的にはなれない(笑)

居酒屋 (新潮文庫 (ソ-1-3))

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