ヴィンランド・サガ/幸村誠
古の北欧を舞台に、ヴァイキングの世界を描く話です。
幸村誠さんの漫画は「プラネテス」のときから大好きなのですが、この「ヴィンランド・サガ」も大当たりでした。
以下、ストーリーを少し書きます。
主人公は父の敵を討つために、ヴァイキングの世界で殺伐とした少年時代を過ごすのですが、そこで一人の王子と出会います。
初め王子は、生きるか死ぬかの世界のなかで手厚く保護される存在として、いかにもなよなよとした小鳥の雛のような様子なのですが、王族の派閥争いや間近で繰り広げられるノルドの戦いのなかで、自分自身のすべきことを悟ります。
一方主人公は、父の敵を付け狙う生活のなかで一時は荒んでいきますが、段々と自分自身の行為を見つめ、自分自身に出来ることを模索し始めます。
この2人は、作中において、邂逅することもほとんどなく、会話もほとんどありません。
ただ、2人は違う立場のなかで、確立した考えを各々持ち、そして同じモノをみつめはじめます・・・。
現在15巻まで出ていますが、序章を終えこれからがまさに本編という盛り上がり方をしていて、先が非常に楽しみです。
また、幸村さんの作画も「プラネテス」のときから格段に腕を上げていらして、躍動感が溢れてます。
それに、プラネテスでもそうですが、作品全体に通じる幸村さんの考え方の表現が、私にはとても素晴らしいもののように思われます。
時代考証もしっかりしていそうですし、興味がある方は一読してみることをお勧めします。
ちなみに、こうの史代さんのエッセイにたまたま文化庁メディア芸術祭授賞式の模様が描かれていて、そのなかで幸村さんはヴァイキングの戦士の格好(剣にマント)で出席されたとかなんとか。
お茶目さん~♪
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